食材について

和製ハーブのしそはお薬?紫蘇と大葉の違いは?

しそは中国のヒマラヤ地方が原産の植物です。日本では縄文時代の遺跡からしその実が見つかっていますが、本格的に栽培され始めたのは平安時代のようです。

原産は中国ですが、実は中国ではしそは雑草という認識のようで、日本で紫蘇がよく食べられていることに驚くこともあるようです。

今日は日本のハーブ、しそのご紹介です!

しそは漢字で紫蘇

紫蘇と表記されるのには理由があります。

昔、中国の三国時代に、ある少年がカニを貪るように食べていたところ、その様子を見ていた医者が、中毒を起こすことを予期し、しそを渡しました。

その少年は医師の予想通り、夜に食中毒を起こしてしまいます。そこで、医師にもらったしそを煎じて飲ませたところ、中毒が治り、命が蘇ったというところから「紫蘇」と書かれるようになりました。

その漢字通り、本来の紫蘇は赤いのです。緑のしそは「大葉」とも呼ばれます。

薬味には欠かせない!

薬味とは、香りの強い香味料のことを指します。しそは薬味には欠かせませんよね。香味の強い食材は、毒消や、強壮・健胃などの働きなどがあります。

しその栄養は?

しそは、赤いしそと緑のしそがありますが、赤い色素成分であるシソニンという成分があるか、ないか違いはありますが、栄養に大きな違いはありません。

しそにはβカロテン、ビタミンB1、B2、B6、C、E、Kが多く、ナイアシン、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛なども豊富です。 

殺菌効果がある!

しその独特の香り成分でもあるペリルアルデヒドやリモネン、ピネン。ペリルアルデヒドはシソアルデヒドとも呼ばれ、抗菌作用・防腐効果の効果が高いのです。よくお刺身と一緒にお皿に乗せられていることがありますが、殺菌効果があるからなのですね。そのため、食中毒予防効果があります。

また、消化酵素の分泌を促し、食欲増進効果もあります。

目・聴覚・粘膜・お肌の保護
青じそにはβカロテンが豊富に含まれます。βカロテンの含有量は野菜の中でもトップクラス!

βカロテンは体内に吸収されるとビタミンAに変わり、視覚、聴覚、粘膜や皮膚を保護し、抵抗力も強くする働きがあります。

鉄分豊富!貧血予防
しそは鉄分が多く、さらに鉄の吸収を助けるビタミンCも多く含まれているので、貧血気味の人にはおすすめです。

水太り解消?
しそはカリウムを多く含みます。カリウムは利尿・発汗を促してくれるので、むくみ解消の効果もあります。

アレルギー対策に!
しそには血中のアルコール分解を促進する働きがあったり、アレルギーを発症したときのアレルギー悪化原因物質の量を抑制する働きがあります。アトピー・花粉症・喘息等のアレルギーがある方にもおすすめの食材です。

しその料理方法

大葉は油との相性がとてもいいです。βカロテンも油と合わさると効率よく吸収できるので、揚げ物などと相性が良いのです。

揚げる時は素揚げにするか、天ぷらは片面にだけ衣をつけて揚げるとパリッとします。

もちろん、生で冷奴や料理の付け合わせとして食べても香りを楽しむことができます。

梅干しの赤は紫蘇の赤

梅干しの赤は元は紫蘇の赤です。梅干しにはクエン酸が大量に含まれていて、このクエン酸と赤色成分であるシソニンが反応して赤くなります。

また、ゆかりも紫蘇を塩漬けにして乾燥させたものです。なぜゆかりと呼ぶかと言ったら、古今和歌集で紫蘇の色を「ゆかり」と表現していたからだそうですよ。

しそをたくさん食べよう!

しそは爽やかな香りで食欲をそそります。料理のアクセントとして、時にはメインにもなる紫蘇はアレンジ次第でいろんな顔を見せてくれます。

しそを利用したレシピはこちら。
(画像は温度差を利用した卵なしサクサクヴィーガン天ぷら)