食材について

南ほど醤油は甘い?言葉にも影響を与えた世界の人気者”醤油“

今や100カ国で販売されている醤油。家庭によっては、いろんな醤油を使い分けているかもしれません。

今日は日本食には欠かせない人気者、醤油のお話です。

醤油の原材料は大豆・小麦・塩

基本的に醤油はこの3つでできています。日本農林規格(JAS法)では「醤油は大豆を使用したもの」という定めがあるので、タイなどで使用されているナンプラーなどは醤油の仲間にはなりません。小麦はブドウ糖に分解され、醤油の甘味に影響します。

醤油は大きく分けて5種類

醤油の種類は大きく分けて5種類あります。

種類料理
濃口醤油濃い茶色醤油といえばこれ。甘味、酸味、苦味のバランスが整っています。調理用にも食卓用にもなる醤油。
薄口醤油薄めの茶色関西生まれ。濃口醤油よりも塩分濃度を1割増したもの。少量の醤油でも味がつきます。素材の色を生かしたい料理、例えば炊き合わせや含め煮など。
たまり醤油黒に近い茶色濃厚な旨味と独特な香り。中部地方で主に使用され、刺身や煎餅などにも使用される。
再仕込み醤油黒に近い茶色山口県が発祥。「甘露しょうゆ」とも呼ばれ、濃厚な旨味と独特の香りが特徴。九州地方で主に使用され、刺身や寿司、冷奴などに使用される。
白醤油琥珀色愛知県発祥。独特の香りがあり、味は淡白ですが甘味がある。色をつけたくないお吸い物や茶碗蒸しなど。

濃口醤油は流通の8割を占めています。薄口醤油は関西で発祥し、流通の13%を占めます。素材の色を生かした上品な料理に使用されます。

たまり醤油や再仕込み醤油は使われる地域が限定され、山陰地方や九州地方などでよく使用されます。お刺身に使われる印象があります。

白醤油は薄口醤油よりも薄く、琥珀色をしています。お吸い物などの汁物や茶碗蒸しなどの醤油の色をつけたくない料理に使用されます。

最近は減塩醤油などもありますね。

醤油は南に行くほど甘い

よく東北地方の食べ物はしょっぱいと言われますが、実は南に行くほど甘味が強くなります

たまり醤油などは中部地方、九州地方でよく使用されますが、甘味がありますよね。鹿児島の醤油が一番甘いそうです。

東北の人がしょっぱいものを食べるのは、塩には体を温める効果があるためです。先人の知恵なのですね。

鹿児島の醤油が甘くなったのは、ここ60年ほど。なぜ甘くなったか?というのは諸説あります。

  • 砂糖が手に入りやすくなったから甘くなった。
  • 焼酎と相性がいい醤油を作った。
  • 他県と差別化したかった。

などなど、理由ははっきりしませんが、鹿児島の人は甘辛いものが好きなようですね。

醤油から生まれた「くだらない」言葉

醤油が日本に広まったのは江戸時代。当時、食の中心は「上方」(※) にあり、醤油は関西地方から江戸に運ばれていました。これらの醤油は「くだり醤油」と呼ばれ、質の悪いものは江戸に運ばれることができず、これらから、つまらないものや物事を「くだらない」と言われるようになったとのこと。
(※)上方とは江戸時代の畿内周辺の地方の呼び名。

醤油から発展した調味料

醤油から発展した調味料には以下の商品があります。

  • ポン酢
  • 麺つゆ
  • 白だし

麺つゆと白だしは似ていますが、派生の仕方が全く違っています。

麺つゆは醤油会社が鰹だしを使用した液体だしを作ったのが始まりで、白だしは、料亭の板前さんが茶碗蒸しを一定の味で作りたいという要望があったことで作られたもののようです。

醤油の香りを活かして料理しよう!

「料理のさしすせそ」が示すように、醤油は料理の最後に近いところで入れます。これは醤油の香りを残すためです。

炒めものなど強火で調理するものなどは、火を止める直前に、香り付けとして利用すると、香ばしい食欲そそる一品になります!

醤油が初めて旅行をした地はオランダ

醤油が国際化したのは江戸時代。この時代日本は鎖国していましたが、出島でオランダと外交していました。こうやって醤油は初めてヨーロッパの地に降り立ったのです。ルイ14世の宮廷料理では、醤油が隠し味に使用されていたとか。

今やオランダには醤油工場があります。他にもアメリカや台湾にも醤油工場があるのですよ。

私たちが思っている以上に、醤油は国際化しているのですね。

うまく醤油を使おう!

醤油がなかったらどんな食生活をしてたんだろう?そんな想像もできないくらい必需品の醤油。その種類は数えきれないほどあります。

あなたがお気に入りの醤油はありますか?

Vaveで紹介している醤油料理はこちら
(画像はとろ〜り熱々食感が楽しい五目焼きそば